年末からここまで、妹ががむしゃらに動いてくれた。
介護認定の手続き、ホームの選択や面談、病院や市役所での手続き、書類の束の処理。
本当にありがたいと思っている。
遠方にいるわたしは、電話をしたり、話を聞いたり、必要になりそうなことをリストアップしたり。
それくらいしか援護射撃はできなかったけれど。
父は移設の前後で、一度症状が悪化した。
正直、胸がざわついた。
でも今、先月末に入ったホームでの暮らしにも、ようやくなじみ始めているように思う。
ホームに入った父は、以前よりも表情がやわらかくなったように感じる。
コミュニケーションはとれない。
けれど、短い言葉はわかるのか、
ゆっくりうなずいてみせたり、
おちゃめに目をきゅっとつぶる仕草を見せてくれる。
その表情を見るたびに、
「まだここにいるよ」と言われている気がする。
先週、娘とホームへ面会に行った。
左側はまったく動かないけれど、右手は動いた。
その手で、孫の手をぎゅっと握った。
その瞬間、
ああ、春が来ている、と思った。
いつまた具合が悪くなるかわからないけれど、
どうか穏やかな時間が、最期まで続いてくれたらと願っている。

